脱出
気づけば三ヶ月。
一日の終わりに当然のように睡魔が襲ってきて、
その睡魔に逆らうことなく眠りに落ちることができるようになっていた。
何をしていても
明日が来るのが、また月曜日が来るのが嫌で嫌で仕方なく、
何をしていても
また始まる嫌なことに備えるための気休めの時間と動作にしか感じられなかった。
「どうでも良い」
そう思ってその嫌なこともすべてやり過ごしてしまえば良いのに、
「どうでも良くない」ことまでも、
その「どうでも良い」ことのせいで毒されてしまったから、
私は一度その「どうでも良い」そのすべてを投げ出して逃げ出してきてしまった。
このことを知る人は本当に数少ない。
そしてこれからはこのことを知らない人しかいない世界で生きる。
私は過去を置いていくしいづれ消えていくことに躊躇はない。
思い出す必要はない。
そのとき関わっていた人たちとの関係を自ら動いて浄化させる必要もない。
自分にそう言い聞かせる。それが自分へのエール。
けれど今の、これからのわたしはこの過去の上にあることは忘れない。
でもそれを人に話す必要はない。
「今」だけで勝負しよう。
もう負けたんだからまた何度も負けたって良い。
負けることをまた恐れないで。
他人と比べてはその綺麗な人生にあこがれてはしまうけれど、
綺麗でなくて良い。
綺麗にしようとすると、私は疲れてしまう。
「今」生きていれば良いんだから。
未来は誰にも分からない。
水曜日の飲み会に、着て行く服を考える時間を楽しく思える「今」が幸せ。